JAL機体整備工場見学会
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JALの考える安全
整備士や運航スタッフが「JALの考える安全」についてこだわりポイントをお話します!が始まりました。
通常の見学会では、整備工場を見学する前に、飛行機が飛ぶ仕組みなどをビデオなどを用いて説明するそうですが、いきなり特別メニューです。
今回はどのような体制で整備を行っているか、また整備士が実際にどのようなスケジュールで働いているかについてスライドで説明がありました。
航空機の整備
航空機の整備は、飛行毎に実施するT整備と定期整備があります。
定期整備は、更に細かく分類されます。
A整備は約1〜2ヶ月毎
エンジンや翼、車輪などを点検します。
面白いのがエンジンオイルを化学分析する設備があるところ、50cc抜き取った物を分析にかけ、どのような金属がオイル中に溶け出しているかを測定するそうです。
エンジンのどの部分にどのような金属が使われているのかが全て管理されているため、その検査結果をもとにエンジンの状態を把握する事が出来るそうです。
またアチコチに穴が開くようになっており、ファイバースコープなどで直接エンジン内部を調べることも出来ます。
バードストライクでエンジンに入った場合、ほとんどはバラバラになって外に出るそうですが、ファンブレードの付け根の方に飛び込むと、空気を圧縮するためにファンの間隔が狭い奥まで入り込んでしまい整備が大変になるそうです。
C整備は約1〜2年毎
車でいうと車検のようなもの
1週間程をかけて機能、動作の点検を行います。
フラップ、スポイラーなど各部位の動作が規定範囲内である事を確認するほか、航空機会社や他社と協力して構造点検を行うこともあるそうです。
A社が前から4番目の窓まで、B社が4番目の窓から15番目の窓までなど、同じ機材を使用している運航会社で構造点検を行う場所を分担し、情報を共有化する事で、どれくらいの時間でどの場所がどのようになるかのデータを集める事が出来るそうです。
M整備
車でいうとオーバーホールのようなもの
約1ヶ月かけて内装を全部取って構造点検などを徹底的に行います。
航空機会社と航空会社が連携しており、同型機で不具合があったりすると点検期間を短くするなどの対応を行っているそうです。
これらの定期整備は航空会社が勝手に決めている訳ではなく、航空運輸局にどの機材をどれ位の頻度、機種によっては飛行時間だけではなく、飛行回数(離陸して着陸で1回)で定めているそうです。
指定の整備が出来なかった飛行機は車でいうと車検切れの状態となり、使用する事が出来なくなってしまうので、間に合うようにスケジュールを組んで作業を行うそうです。
海外に点検に出すこともあるそうです。
運航整備
航空機が到着する1時間ほど前から整備の仕事は始まっています。
まずはデータ端末で到着する機材が出発地でどのような整備が行われたか、不具合やトラブルに対する整備があったかなどを確認します。
着陸の前に、これから飛行機が通るエプロンなどに小石などの異物が無いかチェックします。
エンジンを動かしながら走ってきますので、エンジンに吸い込まれる事があるそうです。
着陸時には、フラップやスポイラーが綺麗に揃って作動しているかなど動作状況を確認し、駐機場へ入るまで監視します。
機体にインターフォンを接続しパイロットから不具合などの状況報告を確認します。
次に故障に対し、どのような整備を行うか段取りを考えます。
定められた整備を実施し、燃料、オイル、作動油量の確認、補給を行います。
燃料補給は、その機体がどのような運航を予定しているかによって、補給量が変わるのですが、ちょっと天気が悪いから多めに給油して欲しいなどのパイロットからの要望はちゃんと考慮されるそうです。
客室乗務員や運航乗務員と状況確認し定められた整備項目とキャビンの不具合の修理などを行います。
テレビやオーディオが付かない、消えないなどのトラブルがあるそうです。
最後に資格を持った責任者が法定書類へサインを行い、乗務員への状況説明を行います。
そして最終確認後、機体をPUSH BACKして、手を振ってお見送りとなります。
パイロットや客室乗務員に対して、このシップをよろしく頼むぞという気持ちで、お手振りをします。
お客様に対しては、仕事で乗られたり、レジャーで乗る方など様々なので行ってらっしゃいと、お手振りをします。
客席から手を振られるお客様の姿も良く見えるので、気がついたら手を振って頂けると嬉しいそうです。
整備の仕事では、お見送りをする時が一番達成感を感じられる時だと言われていました。
気を使うのは、整備の遅れが、その後の運航スケジュールに大きく影響を与える事だそうで、8時に出発する機材の整備は、2時間前の6時には整備が終了していないと使用出来ないそうです。
時間を逆算して、どういった整備を行うのか計画をたて、誰がどこの場所を何時までに作業を終わらせるのか指示を出します。
万が一、間に合わないと判断した場合は、機材の変更の手配をお願いし、同型機が手配できない場合はお客様にご迷惑がかかるなど大変な事態になります。
その後、他社様の整備と比較してどうなんですか?という質問にも答えていただきましたが、オフレコとさせて頂きます。
次はいよいよ整備工場へ移動します。
続きはコチラ⇒整備工場見学